スポーツ外傷の応急処置について

文責:院長 柔道整復師 市原 武

最終更新日:2025年05月14日

1 スポーツ中のケガについて

 スポーツをしている時に、お身体に大きな負荷がかかり、ケガをしてしまうことをスポーツ外傷といいます。

 具体的には、スポーツ中の選手同士の接触や、競技中の転倒などによるケガを指します。

 人とぶつかって打撲したり、転んだ拍子に足を捻ったり、ダッシュした際に肉離れを起こしたりと、スポーツ中にケガをした経験がある方もいらっしゃるかと思います。

 このようなスポーツ外傷は、速やかに応急処置をすることで、ケガの悪化を防ぎ、回復までの期間を短くすることができます。

 まずは慌てずに適切な対応を行うことが大切です。

2 スポーツ外傷の応急処置

 ケガの応急処置の基本として「RICE」というものがあります。

 これは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字から名付けられた処置方法です。

 このRICE処置を行っているかどうかが、ケガの回復に大きく影響します。

 

⑴ Rest(安静)

 ケガをしたら、まずは安静にすることが大切です。

 損傷部位を動かさずに、安静に保つことで、損傷部位の腫れや血管・神経の損傷を防ぎます。

 損傷部位によっては、添え木などを当てて固定するとよいかと思います。

⑵ Ice(冷却)

 ビニール袋やアイスバッグなどに氷を入れて、損傷部位を冷やします。

 体温を下げることで、損傷部位の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みが抑えられるかと思います。

 ただし、長時間冷やしすぎると凍傷となってしまうおそれがあるため、適宜氷を損傷部位からはずして休憩をはさむなど、過度に冷却しないようにすることも大切です。

⑶ Compression(圧迫)

 さらに、損傷部位にテープや包帯、タオルなどを巻いて圧迫することで、腫れや内出血を最小限に抑えます。

 注意点として、強く圧迫しすぎてしまいますと悪影響を及ぼしますので、しびれや変色を感じたら緩められるようにしておく必要があります。

⑷ Elevation(挙上)

 損傷部位を心臓よりも高くすることで、腫れを防ぎます。

 例えば、身体を横にして損傷部位を台の上に乗せるなどすると、無理なく対応することができます。

3 応急処置をせずにケガを放置するとどうなるのか

 ケガをしてしまっても、「歩けるし走れるからケガはたいしたことない」と判断して、ケガ直後に適切な応急処置を怠り、そのままスポーツを続けたり、日常生活を送ったりするケースが見受けられます。

 しかし、損傷した部位をそのままにして動かしたり負担をかける動作を行ったりすることは、内出血や腫れの悪化につながりかねません。

 自然に良くなると思いケガを放置することで、結果として回復までに時間がかかってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

 ケガの重傷化を防ぎ、早期回復を図るためには、応急処置を行い、その後なるべく早く接骨院に通院して、適切な施術を受けることが大切です。

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